運命の歯車が静かに回り始めた。朝の柔らかな陽光が切り立った崖の隙間を抜け、苔と蔦に覆われた古の石神殿都市を照らし出す。あなたの肌を伝うのは、密林特有の湿った緑の匂いと、朝露に濡れた冷たい空気だ。遠くで鳥たちの鳴き声がこだまし、周囲を取り囲む大きな石の顔たちが、訪れる者を無言のまま見下ろしている。正面の大扉は先の地震で崩れた巨石に無惨に塞がれており、本来の道は完全に閉ざされていた。あなたの傍らに立つ老いた水守り、老人シヴァが、悲しげに乾ききった大地を見つめながらゆっくりと口を開く。「旅人よ、見ておくれ……あの半月前の揺れ以来、私たちの命綱であった泉がピタリと止まってしまったのじゃ。この奥で何かが起きているに違いない。どうか、泉の水をふたたび村へ戻してくだされ……」。その言葉には、村人たちの切実な願いと、古きよりこの地を守り続けてきた者の重い責任が宿っていた。シヴァはあなたに薬草の包みをそっと手渡し、古くから伝わる唄の一節を静かに囁く。『笑う顔は道をひらく 泣く顔は水をよぶ 眠る顔は起こすな みな太陽を仰いで待つ』。やがて彼に見送られ、あなた一人で広場の奥へと足を踏み入れる。そこであなたの知性がふと捉えたのは、広場の隅に残された新しい焚き火の痕跡と、不自然に片足を引きずった靴の跡、そして折れた一本の鉄の梃子だった。誰かがあなたより先に、この禁足地へと足を踏み入れているようだ。あなたはこの広大な遺跡のなかで、次にどのような行動を起こすべきだろうか?

旅人よ、見ておくれ……あの半月前の揺れ以来、私たちの命綱であった泉がピタリと止まってしまったのじゃ。この奥で何かが起きているに違いない。どうか、泉の水をふたたび村へ戻してくだされ……。笑う顔は道をひらく 泣く顔は水をよぶ 眠る顔は起こすな みな太陽を仰いで待つ

左手の柱の笑う顔と脇の通路を調べる
SCENE 01

あなたは左手の柱へと歩み寄り、老人シヴァが教えてくれた唄の一節『笑う顔は道をひらく』を脳裏に反芻する。石の柱に刻まれた顔は、厳粛な周囲のものとは異なり、どこか柔らかな笑みを湛えていた。その視線の先をたどると、鬱蒼と繁る蔦の陰に、人がようやく通れるほどの隠された脇の通路がひっそりと口を開けているのが見えた。足元には真新しい焚き火の痕跡や片足を引きずった靴跡が続いており、先客がこのルートを選んだことは確実である。冷たい湿気を孕んだ風がその通路の奥から微かに吹き抜け、あなたにさらなる探索を促している。この隠された通路へ足を踏み入れ、先客の跡を追うかどうかは、あなたの選択にかかっている。

足元の足跡や焚き火の跡を詳しく調べる
あなたは隠された脇の通路の手前で膝をつき、地面に残された痕跡を慎重に調べ始めた。真新しい灰はまだ微かに温かみを感じさせ、泥に残された靴跡は右足を引きずるように深くえぐれている。その歩幅の不揃いさから、先客は負傷しているか、あるいは重荷を抱えていることがうかがえた。さらに周囲を観察すると、折れた鉄の梃子が雑草の陰に落ちているのが目に留まる。誰かが焦るようにして神殿の内部へと急いだ足取りが、生々しく浮かび上がっていた。

中に入る
あなたは先客の残した焚き火の痕跡や靴跡をたどり、蔦に隠された笑う顔の通路へと足を踏み入れた。生い茂る葉をかき分けて進むと、苔むした古い石壁に囲まれた薄暗い回廊へと抜ける。周囲には湿った石の匂いが立ち込め、静寂の中に微かな風の通り道が感じられた。安全な遠回りであるこの通路を進み、神殿の内部へとさらに深く入り込んでいく。運命の歯車は確実に回り続けている……。

奥へ進む
あなたは脇の通路の蔦をかき分け、湿った石積みの回廊へと足を踏み入れた。周囲の壁には苔が生い茂り、外の喧騒を遮るような重厚な静寂があなたを包み込む。通路の先はさらに深く神殿の内部へと続いており、冷たい空気の中に古代の歴史を伝える微かな香りが漂っている。先へ進むほどに光は弱まり、足元の石畳はわずかに滑りやすくなっている。運命の歯車はすでに回り始めており、この遺跡の秘密を解き明かす旅が本格的に幕を開けたのだ。

壁の浮き彫りや装飾を調べる
あなたは湿った石積みの回廊を進みながら、ふと視線を壁へと向けた。そこには風化しかけてはいるものの、精巧な浮き彫りと装飾が幾重にも刻まれている。しかし、長年の月日と先日の地震による亀裂で、重要な図解の一部が剥がれ落ちてしまっていた。それでも、かすかに残る線画を注意深くたどれば、この神殿がどのようにして崖の雨を集め、頂の水門から谷へ水を流していたのか、その古の仕組みの片鱗を読み解くことができそうだ。
あなたは壁の浮き彫りに刻まれた古い図解を熱心に見つめ、その意味を読み解こうと試みた。しかし、長年の風化と先日の地震による激しい損壊が、肝心な水流の仕組みの大部分を削り取ってしまっている。あなたの知性は最善を尽くしたが、完全な全体像を掴むには至らず、歴史の深い霧がまだ視界を遮っている。それでも、わずかに残された線画から、水脈の蛇行やかつての水路の役割についての朧げな手応えを得ることはできた。もう少し別の手がかりがあれば、その全貌が明らかになるかもしれない。

手がかりを探す
SCENE 02

あなたは湿った石畳の回廊で立ち止まり、さらなる手がかりを求めて周囲の壁や足元に目を凝らした。古い石の表面には、かつてここに満ちていた清らかな水の気配が微かに残されている。あなたの判断力が、ふと頭上のわずかな光が差し込む高窓に引き寄せられた。そこへ至るには苔むした外壁をよじ登る必要があるが、壁は湿って滑りやすそうだ。その傍らには、まるであなたを導くかのように、村の若者ミロが残していったような足跡や、壁の彫刻の出っ張りが自然な手足場としてあなたを見上げている。
あなたは凄まじい集中力を発揮し、湿った苔に覆われた外壁へ見事に指先を引っ掛けた。滑りやすい石肌をものともせず、彫刻の出っ張りを足場にしながら一気に身体を引き上げていく。その一連の動作はまるで風に舞う葉のように軽やかで力強く、見事な身のこなしで上の窓枠へとたどり着いた。あなたは崩れた窓から内部の回廊へと静かに着地し、新たなエリアへの侵入を果たした。

周囲を観察する
あなたは窓枠から広めの回廊へと降り立ち、静寂に包まれた周囲を慎重に見回した。かつては豊かな水が満ちていたであろう石の水路は完全に乾ききり、底には白い水垢の筋が痛々しく刻まれている。足元から奥へと伸びる石畳の先には、いくつかの分かれ道が口を開けていた。それぞれの通路の入口には奇妙な顔の浮き彫りが施されており、冷たい石壁の隙間から吹き抜ける風が、どこか不気味なざわめきを運んでくる。

泣く顔の口から続く水路を見る
あなたは窓枠からさらに奥へと歩みを進め、薄暗い回廊の一角に佇む奇妙な装飾へとたどり着いた。そこには、激しく歪んだ表情で口を大きく開けた『泣く顔』の浮き彫りが壁面に刻まれており、その口の奥から先へ向けて、水のない涸れた水路がぽっかりと暗いトンネルのように続いている。老人シヴァが教えてくれた唄の文句『泣く顔は水をよぶ』があなたの脳裏に蘇る。この乾いた水路は、神殿の頂へと直接這って進む狭い近道のようだが、足場は非常に悪く、ただ進むだけでも過酷な試練となりそうだ。この暗い水路へと踏み出すかどうか、あなたの判断が試される。

別の安全な通路がないか周囲を探す
あなたは泣く顔の水路を避け、石造りの回廊の薄暗い陰に目を凝らした。風の通り道を探るように慎重に壁伝いに歩を進めると、苔の剥がれた冷たい床の隅に、もう一つの小さな分かれ道がひっそりと隠されているのを発見した。そこは先ほどのような歪んだ顔の浮き彫りもなく、静かに奥へと続いている。崩れた瓦礫や蔦に阻まれながらも、この新たな安全な通路は、あなたを無用な危険から遠ざけつつ、神殿のさらに深い場所へと導いてくれそうだ。

安全な通路を進む
あなたは険しい水路を避け、先ほど見つけた安全な通路へと足を踏み入れた。足元は緩やかな上り坂になっており、荒々しい水音の代わりに、ひんやりとした静寂と湿った苔の香りがあなたを包み込む。壁の彫刻は次第に薄れ、代わりに古の職人たちが丁寧に積み上げた滑らかな石積みの壁がどこまでも続いている。無理な体力を消耗することなく、一歩一歩着実に神殿の奥へ向かって進むことができそうだ。運命の歯車はあなたを静かに、しかし確実により深い秘密へと導いている。

奥へ進む
あなたは安全な回廊をさらに奥へと進んでいく。足元の石畳は緩やかに下り、やがて視界が開けた場所に出た。そこには幾つもの顔の浮き彫りが壁面に並んでおり、中央の通路の床にはわずかに不自然な継ぎ目のある石板が敷かれている。注意深く観察しなければ見過ごしてしまいそうな、精巧な罠の気配が漂っている。

周囲を観察する
SCENE 03

あなたは足を止め、慎重に周囲の様子を観察した。目の前には、薄暗い石造りの床と不気味に並ぶ顔の浮き彫りが広がっている。特に『眠る顔』が彫られたエリアの足元には、かすかに不自然な隙間を持つ石板が隠されていることに気づいた。うかつに踏み込めば、何らかの仕掛けが作動しそうな危険な空気が漂っている。

並べられた顔の種類を観察する
あなたは足元を警戒しながら、壁に整然と並べられた幾つもの顔の浮き彫りをじっくりと観察した。先ほど見つけた『眠る顔』の冷ややかな表情のすぐ足元には、やはりわずかに浮き上がった不自然な石板の継ぎ目が見て取れる。その精巧な仕掛けは、うっかり体重を預ければ床が傾き、壁の隠し穴から鋭い矢が飛び出すことを雄弁に物語っていた。慎重にその場をやり過ごしつつ、あなたはこの先にあるさらなる謎へと意識を向ける。

床の仕掛け板を慎重に避けて進む
あなたは眠る顔の足元に広がる不気味な石板の継ぎ目を注意深く見据え、その罠を踏まないよう慎重に一歩を踏み出した。冷たい石の床の上で息を潜め、わずかな体重移動にも気を配りながら、仕掛けられた傾斜と隠し穴の領域を完全に迂回することに成功する。矢が放たれることも床が音を立てて沈むこともなく、あなたは無事に危険な区域を抜け出し、さらに奥へと続く安全な通路へとたどり着いた。背後では静寂が再びその場を包み込み、あなたの知性と慎重さがこの厄介な罠を無力化したことを物語っている。

奥へ進む
あなたは安全な通路をさらに進み、再び水路の回廊へと戻ってきた。しかし、先ほど見逃していた壁面の一角に、老人シヴァが教えてくれた唄の文句『泣く顔は水をよぶ』と深く関連する古の浮き彫りが残されていることに気づく。風化して削り取られた図解の隙間を、あなたの知性とこれまでの記憶を総動員して注意深く観察すれば、なぜ水が止まったのか、その決定的な理由を完全に読み解くことができるかもしれない。
あなたは壁面に刻まれた古の浮き彫りを再度凝視し、その謎を解き明かそうと試みた。しかし、長年の風化と激しい漆喰の剥がれ落ちにより、肝心な水流の構造や仕組みを示す部分は完全に削り取られていた。あなたの知性を総動員しても、提示された手がかりだけでは、なぜこの水路の泉が止まってしまったのか、その決定的な真相まで辿り着くことはできなかった。複雑に入り組んだ古代の意匠は、あなたにさらなる思考と別の角度からの探索を求めている。

老人シヴァの唄の歌詞をもう一度思い出す
あなたは老人シヴァが別れ際に囁いてくれた古い唄の歌詞を脳裏で静かに詠唱した。『笑う顔は道をひらく 泣く顔は水をよぶ 眠る顔は起こすな みな太陽を仰いで待つ』。その古びた言葉の響きを先ほどの削り取られた浮き彫りの図解と照らし合わせたとき、あなたの知性は鮮やかに真実の欠片を繋ぎ合わせた。水門の中心に嵌められていた丸い緑の石『太陽の瞳』こそが、この神殿の命脈を司る鍵であり、それが外されたことこそが村の泉を涸らした原因なのだと確信する。

太陽の瞳を探す
あなたは知恵を絞り、太陽の瞳がどこにあるのかを推測しながら、崩れた大広間へと足を踏み入れた。天井の裂け目から神々しい光の柱が差し込むその場所には、先の地震で瓦礫に阻まれて閉じ込められた一人の男がうずくまっていた。彼はくたびれたコートをまとい、片足を痛そうにかばいながら、大きな背負い袋をまるで命綱のように固く抱え込んでいる。あなたに気づいた男は、鋭く警戒に満ちた眼光を向け、低く濁った声でこう吐き捨てた。「おい、これ以上近づくな……! ここにあった宝は俺が先に見つけたんだ。誰にも渡さねえぞ……!」

おい、これ以上近づくな……! ここにあった宝は俺が先に見つけたんだ。誰にも渡さねえぞ……!

太陽の瞳を知らないか?
SCENE 04

あなたは瓦礫の陰に身を潜めるザックに向かって、静かに『太陽の瞳』について尋ねた。その名を聞いた瞬間、ザックの鋭い目が大きく見開き、抱え込んでいた背負い袋を反射的に強く抱え直した。「……なっ、なんでお前がその石の名前を知ってやがる!?」彼は激しく動揺しながらも、警戒心をいっそう強めてあなたを睨みつける。その背負い袋の隙間からは、まるで生き物のように鈍く緑色の光を放つ丸い石球の端が覗いていた。彼はまだそれが村の泉を止めた原因だとは気づいておらず、ただの高価な宝だと思い込んでいる様子だ。この膠着した状況をどう打開するか、あなたの言葉や行動が次の運命を決定づける。

……なっ、なんでお前がその石の名前を知ってやがる!? こいつは俺が命がけで手に入れた宝だ、渡さねえぞ!

村の泉が止まったことを説明する
あなたは瓦礫に身を寄せたザックに向かい、村で起きている深刻な異変について静かに語り始めた。半月前の地震のあと、三日前に麓の泉が完全に干上がってしまったこと、そして村人たちがどれほど水に頼って生きているかを真摯なトーンで告げる。ザックはその言葉を聞くと、険しかった表情をわずかに曇らせ、持っていた背負い袋から手を離して虚空を見つめた。「……なんだって? 泉が止まっただと……? 俺がこの石を持ち出したのは、ただ高く売れそうな光り物を探していたからで……まさか、それが村の命綱を奪うことになってたなんて……知らなかったんだ」彼の目には、焦りと後悔の色がかすかに浮かんでいる。

……なんだって? 泉が止まっただと……? 俺がこの石を持ち出したのは、ただ高く売れそうな光り物を探していたからで……まさか、それが村の命綱を奪うことになってたなんて……知らなかったんだ

太陽の瞳を元の場所に戻そう
ザックはあなたの言葉にハッと息を呑み、腕の中で抱え込んでいた背負い袋を少しだけ緩めた。「……元の場所に戻すって、あれをもう一度嵌めれば、あの村の泉が元に戻るってのか……?」彼の瞳には戸惑いと、わずかな迷いが浮かんでいる。彼自身、ただの金目のものだと思って持ち出しただけで、村を壊すつもりなどなかったのだ。ザックは痛む足をかばいながら、袋の口をあなたに差し出した。「……わかったよ。俺のせいでそんなことになってるなら、この石はお前に預ける。だから、一緒に出口を探してくれ……いや、まずはあの頂の『水の間』へ戻って、これを元通りに収めてこい!」あなたはザックの背負い袋から、重みのある『太陽の瞳』をしっかりと受け取った。
太陽の瞳 を手に入れた

わかったよ。俺のせいでそんなことになってるなら、この石はお前に預ける。だから、一緒にあの頂の『水の間』へ行って、これを元通りに収めてこい!

薬草を渡しておく
あなたは、脚を痛めて苦しそうに息をするザックの傍らに歩み寄り、旅立ちの際に老人シヴァから託された『薬草の包み』をそっと差し出した。「これを使ってくれ、痛みが和らぐはずだ」と告げると、ザックは驚いたように目を丸くし、それから力なく苦笑いを浮かべた。「……まさか、敵である俺にここまでしてくれるとはな。恩に着るぜ、旅人……いや、セシル」彼は丁寧に薬草を受け取り、傷ついた足に当てて痛みを和らげた。心なすか、彼の表情には先ほどまでの険しさが消え、確かな信頼の色が宿っている。ザックはあなたを見据え、共に神殿の頂上を目指す決意を新たにした。あなたたちは太陽の瞳を携え、いよいよ頂へと続く険しい螺旋の石段へ踏み出していく。
薬草の包み を手放した

まさか、敵である俺にここまで薬草を分けてくれるとはな……恩に着るぜ、セシル。この借りは必ず返す、一緒に頂上へ行こう

水の間へ進む
あなたは太陽の瞳を手に、ザックと共に神殿の芯を貫く縦穴へと続く螺旋の石段を上り始めた。長い階段を登りきった先で、冷たく乾いた風が吹き抜ける頂の石室「水の間」へとたどり着く。天井の大きな穴から青空が覗くその中央には、長年眠り続けていた巨大な石の輪と、あの緑の石球が嵌まるべき丸いくぼみが静かにあなたを待っていた。足元には崩れた瓦礫が散らばっているが、運命の結末へ至る最後の扉はもう目の前にある。

上から瓦礫が落ちてこないか確認する
あなたは水の間へ踏み入れたものの、背後や頭上で起こる微かな予兆に気づき、足を止めて天井を見上げた。先ほどの激しい余震の余波か、あるいは崩れかけた石壁のバランスが崩れたか、頭上の古い天井からポロポロと小さな砕石が音を立てて落ちてくる。完全に崩落する前に周囲の安全を確かめなければ、大きな危険を招きかねない。
あなたは鋭い判断力を働かせ、頭上の崩れかけた天井を注意深く見据えた。ポロポロと落ちてくる砕石の軌跡と、微かに響く地鳴りの周期を瞬時に読み取り、安全な退避ルートと危険な箇所を完璧に把握することに成功する。直後、あなたの予測通りに大きな瓦礫が音を立てて足元へ落下したが、すでにその場を離れていたあなたに傷一つ負うことはできなかった。頭上の危険を無事にやり過ごしたあなたは、頂の水の間の中央へと確かな足取りで進み、いよいよ最後の目的である『太陽の瞳』を台座へと収める準備を整える。

太陽の瞳を元に戻す
SCENE 05

あなたは緊張に包まれた静寂の中、手に持った『太陽の瞳』をしっかりと握りしめ、水の間の中央にある巨大な石の輪へと歩み寄った。かつてその中心にあった丸いくぼみに、その緑の石球をそっと嵌め込む。カチリと重厚な音が響き渡り、石の輪全体が微かに震え始めた。次の瞬間、神殿の奥底から地響きのような水流の音が蘇り、乾いていた石室の壁面を潤すように冷たい水が勢いよく走り出す。水門が開き、運命の歯車が完全に噛み合ったその時、頭上の天井から激しい余震の揺れとともに巨大な瓦礫が音を立てて崩れ落ちてきた!
太陽の瞳 を手放した

安全地帯を探す
激しい揺れとともに天井から次々と石塊が崩れ落ちる中、あなたは崩壊を免れそうな頑丈な石造りの柱の影へと素早く身を滑り込ませた。頭上で轟音が響き渡り、瓦礫が雨のように降り注ぐが、あなたはその安全な死角でしっかりと身を守り抜く。激震が少しだけ収まりを見せたその瞬間、瓦礫の山からザックの苦悶に満ちた叫び声が響いた。「くそっ……足が、瓦礫に挟まって動かない……!」

うあっ……! くそっ、足が瓦礫に挟きちまった……! このまじゃ押しつぶされる……!

折れた鉄の梃子で瓦礫を持ち上げる
あなたは瓦礫の山に駆け寄り、かつて広場の隅で見つけた折れた鉄の梃子を重い石の隙間へと力強く差し込んだ。全身の筋肉を緊張させ、崩れ落ちた岩の塊を持ち上げようと試みる。しかし、その鉄の棒は長年の錆と激しい衝撃によってすでに限界を迎えており、あなたの力を受け止めた瞬間にポキリと無残に折れてしまった。ザックは瓦礫の下から苦しげな息を漏らしながらも、あなたの必死の姿に力のない笑みを浮かべる。「すまねぇ、セシル……俺のことはいい、早くここから……」。その言葉に背中を押されながらも、あなたは諦めずに別の方法を探そうと視線を巡らせる。

すまねぇ、セシル……俺のことはいい、早くここから逃げな……!
あなたは瓦礫に挟まれたザックを救うため、自らの手で重い石の塊を力任せに持ち上げようと試みた。しかし、あなたの細腕では崩れ落ちた巨石の重さを支えきれず、鈍い痛みが筋肉を走る。合計九という力は懸命な努力を示したものの、目標値にはわずかに届かなかった。ザックは苦しげに息を吐きながらも、あなたを気遣うように弱々しく微笑む。それでも、あなたの諦めない気迫が新たな突破口を引き寄せる。果たして、この絶望的な状況を打破する一筋の光を見出すことができるだろうか。
体力が 5 減少した

うっ……重いな……だが、セシル、お前が無事でいてくれただけでも上出来さ……

周囲の石を利用しててこを作る
あなたは折れた鉄の梃子に代わるものを探すため、周囲に散らばる頑丈な石の破片と手頃な丸太のような石柱に目をつけた。ザックの足を押さえつける巨石の隙間へと絶妙な角度で石を差し込み、自らの体をてこの原理の支点として全体重を預ける。メキメキと重い石が軋む音が響き、あなたの額に冷や汗が伝う。その必死の踏ん張りに応えるように、ザックを押しつぶしていた瓦礫の巨石がわずかに持ち上がり、隙間が生まれた!「今だ、セシル……!」ザックはそのわずかな空間を縫うようにして、痛む足を引き抜きながら這い出してきた。

助かった……! お前のおかげで命拾いしたぜ、セシル。さあ、この崩れる場所から一刻も早く逃げよう!

脱出する
あなたはザックを引っ張り上げると、激しく揺れる水の間を後にし、水路へと飛び込んだ。開け放たれた水門から溢れ出した勢いのある清流が、あなたとザックの体を包み込み、石の斜面を一気に滑り下りていく。轟音と水飛沫の中を駆け抜け、やがて光が差し込む広場の池へと盛大な水しぶきをあげて放り出された。あなたがびしょ濡れの体で顔を上げると、かつて乾ききっていた広場の石の顔の口から、眩いばかりの澄んだ水が勢いよく噴き出し、涸れていた泉を満たしていくのだった。遠くの村の方向からは、水を取り戻した人々の歓喜の声が微かに風に乗って聞こえてくる。運命の歯車は正しく噛み合い、あなたは古の遺跡から生還を果たし、世界に命の水を蘇らせたのだった。

ははっ、すげえ……本当に水が戻ったぜ。セシル、お前のおかげで俺も命拾いした。この恩は一生忘れないぜ!
SCENE 06

EPILOGUE

老人シヴァの唄に導かれ、古代の神殿に眠る『太陽の瞳』を再び台座へと収めたあなたとザック。激しい余震と崩壊の危機を乗り越え、水門から放たれた清らかな水は、乾ききった村の泉を完全に蘇らせました。手を取り合い、死地を脱したトレジャーハンターのザックとの奇妙な絆、そして村人たちのあたたかな笑顔は、あなたの心に永遠に刻まれることでしょう。こうして、失われた遺跡を巡る壮大な運命の物語は、光と水に満ちた大団円を迎えたのです。
CLEAR