夜明け前の港町「潮見」。冷たい潮風が石畳を舐め、遠くの波音と混ざり合って重く響く。港の片隅にある古びた礼拝堂の扉を開けると、そこは異様な静寂に包まれていた。祭壇の灯るろうそくが弱々しく揺らめき、微かに香る甘い香油の匂いと、磯の生臭さが奇妙に入り混じっている。板敷きの床には、帰らぬ眠りに落ちた村人たちが何重にも寝かされていた。彼らの顔立ちは穏やかだが、規則正しい寝息の隙間から、ぞっとするほど揃った低い寝言が漏れ聞こえてくる。「……卵が、冷える……」。その声はまるで一つの意思を持つうねりのように、礼拝堂の冷えた空気を震わせていた。あなたはふと視線を窓の外へと向けた。灰色の濃い霧に閉ざされた沖合の暗闇に、黒い岩の島影が横たわっている。そして、その頂のあたりで、夜の闇を裂くように緑色の光が妖しく瞬いた。港組合から依頼された調査役であるあなたの胸に、冷徹な使命感が宿る。あの島へ渡り、この終わらない眠りの原因を突き止め、人々を現実へ引き戻さなければならない。静まり返った礼拝堂の重い空気の中、あなたが一歩を踏み出そうとしたその時、背後の戸口の影が揺らめいた。白髪混じりの無精髭を生やし、鋭い片目をした初老の男が、古びた藍色の航海用コートを纏って静かに姿を現す。

……ほう、組合の調査役というのはお前か。その目をしていれば、あの島の異変を恐れてはいないようだな。船の準備はできている。行く気があるなら、私の後ろについてきな。

礼拝堂で眠る人々の様子をさらに詳しく調べる
SCENE 01

あなたは礼拝堂の冷たい床に横たわる人々へと歩み寄り、その詳細を観察する。眠りにつく者たちの衣服は潮風で湿り、肌にはうっすらと青みがかった冷気が纏わりついている。彼らの胸の上下はかろうじて確認できるものの、その呼吸はまるで深く凍てついた海の底にいるかのように緩慢だ。その時、そばに立っていたバルドが低い声で呟くように言った。「近づくな、あの霧の毒は容易に魂を冷やす。……それでも行くというなら、勝手にするがいいさ」

近づくな、あの霧の毒は容易に魂を冷やす。……それでも行くというなら、勝手にするがいいさ。

眠る人々の寝言について詳しく尋ねる
あなたは礼拝堂の冷たい空気の中で、眠る人々が一斉につぶやく「卵が、冷える」という言葉の真意をバルドに問う。老水先案内人は不機嫌そうに鼻を鳴らし、腕を組んであなたを見据えた。「お前も聞こえたか。……あの島で何かが冷え切っている。だからこそ、村人たちは夢の中で同じ恐怖に囚われているのさ。これ以上詮索する暇があるなら、船を出すぞ」。その時、戸口の物陰からもう一人の人物が飛び出してきた。若い水夫のルカが、あなたの前に進み出て必死な眼差しを向ける。「どうか、僕の妹を助けてください!あの島へ行くなら、僕も一緒に連れて行ってくれ!」

ふん、物好きなことだな。だが、その探究心が命取りにならなければいいが……行くぞ。

ルカと共にバルドに島への協力を頼む
あなたは若い水夫ルカと共に、バルドの前へ進み出る。ルカは必死な面持ちで頭を下げ、「どうか妹を救うため、僕たちを島へ乗せてください!」と懇願した。バルドは面倒臭そうに片目を細め、二人を交互に見つめると、やれやれと言いながら懐から小瓶を取り出した。「……若い情熱とは厄介なものだな。だが、お前たちのその覚悟、本気と見受けておこう」。男はそう呟くと、霧を払う秘薬である潮薬をあなたへと差し出した。
潮薬 を手に入れた

これを持ちなさい。島に立ち込める霧の毒を払う「潮薬」だ。使い所を間違えるなよ。

潮薬を受け取る
あなたはバルドから差し出された小さな小瓶を受け取る。その冷たいガラス越しにも、微かに薬草と潮の香りが漂い、鼻腔をくすぐる。手にしっかりと収まった「潮薬」の重みを感じながら、あなたは霧に閉ざされた島へ向かう決意を新たにする。バルドは無言のまま帆船の舵を握りしめ、ルカは引き締まった表情であなたにうなずいた。小舟はゆっくりと潮見の港を離れ、荒れ狂う嵐の輪へと漕ぎ出していく。やがて周囲の波音が高くなり、空を覆う雷雲が重く垂れ込めてきた。鉛色の海原の向こうで、沈みゆく古い鐘の音が水底から微かに響いてくるような気がする。雷鳴と荒波が轟く中、この嵐の輪を抜けて岩礁の水道へ進むためには、そのわずかな金属音を聞き分けなければならない。あなたは判断力を研ぎ澄まし、波のうねりの向こうから聞こえる鐘の音に耳を傾ける。
轟く雷鳴と荒れ狂う高波の中、あなたは波のうねりと共に響く微かな金属音に全神経を集中させる。バルドが船首で低く歌う古びた海の旋律に合わせ、水底から響くかすかな鐘の音があなたの判断力を正確に導き出した。その澄んだ響きを頼りに、小舟は危険な岩礁の隙間を縫うように、見事に沈み鐘の水道の安全な道筋を捉えて進んでいく。

さらに進む
沈み鐘の水道の静かな水面を抜けた先、視界が開けた波間に不気味な光景が浮かび上がる。黒い小舟の無残な残骸が波に揺られており、その周囲の暗い海中では、緑色の光に引き寄せられた巨大な海蛇のうねる巨体が水面を滑るようにうろついている。船首のバルドが険しい顔つきで櫂を止め、ルカが息を呑んで身を硬くした。海蛇の隙を突いて素早く通り過ぎるか、気配を殺して静かに舵を切るか、あなたの判断が試される。

静かにしろ……あの化け物は光と動きに敏感だ。息を殺して通り抜けるぞ。
あなたは海蛇の巨体をかわそうと身を翻すが、荒波に足元を掬われ、水面を這う尾の強烈な一撃を避けることができない。冷たい衝撃が全身を走り、激しい痛みがあなたを襲うが、ルカの必死の櫂さばきとバルドの舵取りによって、どうにかその場から押し流されるように海域を脱出した。小舟は激しく揺れながらも、霧の立ち込める島の手前の岩場へと滑り込む。かろうじて上陸を果たしたものの、あなたのHPは深く削られ、息を荒くしながら冷たい岩の上に倒れこむ。
体力が 20 減少した

セシル!大丈夫か……?怪我をしている!早くこの岩場を上がって、安全な場所を探そう。

ルカの肩を借りて岩場を登る
あなたは激しい痛む身体を若い水夫ルカに預け、彼とバルドに支えられながら滑るような岩場をよじ登る。冷たい潮風が吹き付けるフジツボに覆われた磯に足をつけると、ようやく安定した大地を踏み締めた実感が湧いてきた。背後では波間に漂う黒い小舟の残骸の近くで、先ほどの海蛇がなおもうねりながら暗い海面を滑っている。一息つく間もなく、足元の岩陰から潮の匂いに混じって微かな人の気配が漂ってきた。緑の光に染まる岩陰に、商会の徽章をつけた水夫の一人が波に打ち上げられるように倒れ込んでいる。彼は深く眠り込んでおり、どれだけ揺り動かしても意識を取り戻す気配はない。

セシル、怪我は大丈夫か……?あそこを見てくれ、商会の船員が倒れている。このままじゃ彼もあの眠りに飲まれてしまうかもしれない。

ルカと一緒に水夫を安全な場所へ運ぶ
あなたはルカと息を合わせ、荒波に洗われる岩場からぐったりとした商会の水夫を抱え上げる。潮とフジツボの匂いが鼻をつく中、二人は彼を安全な高い岩陰へと運び入れた。水夫の衣服は緑の光を帯びた水で濡れ、その呼吸は酷く浅く、まるで深い底知れぬ夢の中に囚われているかのようだ。ルカは不安げな表情で水夫の顔を覗き込みながら、あなたに助言を求める。

セシル、このままじゃ彼の意識は戻らない……。持っている潮薬の匂いを少しだけ嗅がせたら、目を覚ましてくれるだろうか?

水夫が危険な人物か観察する
あなたは倒れ込んだ商会の水夫を注意深く観察する。彼の服装は荒々しい商会の紋章が刻まれたものだが、その顔立ちは恐怖と疲労に歪んでおり、悪意というよりも深い眠りの底に囚われた痛ましさだけが漂っていた。ルカが心配そうにあなたを見つめ、どうするべきかと問いかけてくる。ふと視線を上げると、険しい崖の上の雲間に、崩れかけた古城の尖塔がシルエットとして不気味にそびえ立っているのが見えた。

彼の呼吸は落ち着いたけど、まだ目覚めないね……。どうする、セシル?あの崖の上の城へ向かうかい?

潮薬のにおいを嗅がせてみる
あなたはポケットから潮薬の小瓶を取り出し、そのコルクをそっと抜いた。途端に、爽やかな潮風と澄んだ薬草の香りが濃い霧の立ち込める磯の空気を微かに切り裂く。昏睡に陥っていた商会の水夫の鼻先へその香りを近づけると、彼の浅い呼吸がわずかに乱れ、苦しげに眉根が寄せられた。「うっ……これは……」と、水夫が掠れた声を漏らし、重い瞼をゆっくりと持ち上げる。霧の毒から解放されかけた彼の瞳に、かすかな理性が宿りはじめた。

よかった、意識が戻ったみたいだ!ねえ、彼にあの城のことも聞いてみようよ。

この島で何が起きたのか?
あなたは蘇った水夫に、この島で何が起きたのかと問いかける。水夫は青ざめた顔で震えながら、かすれた声で呟いた。「……商会が、城の下の地下深くで光る石を掘り始めたんだ。だが、あの緑色の水があふれ出し、坑夫たちが次々と深い眠りに落ちて……船長は、卵を見つけてそれを持ち帰ろうとしていた……」。その言葉を残し、水夫は再び力なく意識を手放す。目の前には、霧の向こうで険しくそびえ立つ古城への、苔むした急な崖道が待ち受けている。

やっぱり、あの城か地下に何か原因があるんだ……!セシル、気をつけて登ろう。
あなたは深い呼吸を整え、苔むして崩れかけた険しい崖道へと一歩を踏み出す。冷たい海風が吹き荒れ、湿った岩肌が牙を剥くように立ちはだかるが、あなたの驚異的な精神力と肉体の粘り強さがその足元をしっかりと支え上げた。一歩、また一歩と確実に足を掛け、崩れ落ちる岩片を巧みにかわしながら、あなたはついに険しい崖を登りきる。目の前には、何世紀もの歳月と静寂に包まれた古城の重厚な門が姿を現した。ルカがあなたに追いつき、荒い息を整えながらその圧倒的な佇まいに息を呑む。

すごいよ、セシル!あんな険しい崖を登りきるなんて……。さあ、城の中に入って手がかりを探そう。

城の内部を慎重に探索する
あなたは重く閉ざされた古城の門を押し開き、冷たく湿った内部へと足を踏み入れる。幾重にも重なる何世紀もの埃と厚い蔦が石壁を覆い、かつての栄華を物語る広間は静まり返っていた。壁面には色あせた壁画が彫られているが、分厚い汚れと蔦に遮られ、その全容を読み取ることは容易ではない。奥へ続く通路の先からは、冷たい風と共に微かな緑色の光が漏れ出している。ルカが松明を掲げ、あなたに寄り添うように辺りを見回した。

すごい場所だね……空気まで冷たくて凍えそうだ。セシル、あの壁画の汚れを拭き取れば、何か手がかりが見つかるかもしれない。
あなたは古い布と持ち合わせた水で、壁画を覆う分厚い埃と蔦を慎重に拭き取っていく。その努力が実を結び、灰色の石肌から鮮やかな色彩と繊細な彫刻が姿を現した。描かれていたのは、巨大な竜が一つだけの卵を温める姿と、冷え切った卵を救うための「炉心石」、そして竜を再び目覚めさせるための古い子守唄の姿であった。歴史の真実があなたの知性を満たし、この島の異変の全貌が明確に紐解かれていく。

すごいよセシル!壁画に全部書いてある……!卵を温める石があるなんて、知らなかったよ。

卵を盗んだ船長の手がかりを探す
SCENE 02

あなたは壁画の解読から目を離し、城内のさらに奥へと視線を巡らせる。かつての竜守りの長が暮らしていたという部屋は、分厚い古木の扉の向こうに隠されているようだが、その頑丈な留め具と硬い古木の鍵が固く閉ざされ、容易には通してくれそうにない。しかし、先ほど解読した壁画の隅には、幾何学的な模様と共に小さな隠し鍵の存在を示唆する奇妙な刻印が残されていた。ルカが松明をかざしながら、その刻印の周囲を注意深く見つめている。

セシル、見てくれよ!壁画の隅っこに、なんだか変な印があるんだ。もしかしてこれが扉を開ける手がかりかな?
あなたは壁画の隅に刻まれた奇妙な幾何学模様と刻印に鋭い視線を注ぐ。研ぎ澄まされた判断力が、ただの装飾ではないその隠された規則性を捉え、わずかな窪みを正確に指し示した。カチリと重い音が響き、硬く閉ざされていた古木の扉の留め具が外れてゆっくりと押し開かれる。中へ足を踏み入れると、古い書物や古びた調度品の中に、静かに輝く黄金色の「竜守りの鈴」が置かれているのが目に入った。
竜守りの鈴 を手に入れた

すごいよセシル!本当に隠し鍵を見つけちゃった。……これが、あの鈴だね。

周囲を調べる
あなたは手に入れた「竜守りの鈴」を確かめながら、古城の奥からさらに地下へと続く暗い階段へと足を踏み出す。冷気と混ざり合う緑色の燐光に導かれるように進むと、視界が一気に開け、そこには巨大な採掘場が広がっていた。荒々しく組まれた木造の櫓の足元には、無数の緑色に輝く石を積み上げた木箱が並び、簡易寝台の上では商会の坑夫たちが一様に深い眠りに落ちて気絶している。その奥で、商会の船長が苛立った様子で真鍮の測距儀を握りしめながら、炉心石の積まれた一角へと部下を怒鳴りつけていた。あなたは霧と緑の光が渦巻くこの危険な空間に、音を立てぬよう慎重に身を潜めて足を踏み入れる。

様子を見る
あなたは緑の光が脈打つ採掘場の暗がりから、息を潜めて前方の様子をうかがう。簡易寝台で眠り込む坑夫たちの間を縫うように、商会の船長ガレオンが苛立った足取りで木箱の山へと歩み寄っていた。彼の片手には高価な真鍮の測距儀が握りしめられ、もう片方の手には危険な火薬箱の導火線に火をつけようとする松明が掲げられている。その足元、積み出し用の木箱の中には、冷たい緑の光を放つ巨大な炉心石が重々しく収められていた。船長は歯噛みしながら部下に怒鳴り声を飛ばし、まさにその石ごと坑内を爆破しようと身構えている。

ぐずぐずしている暇はない!この緑の石を掘り出せば、借金も一括りで返せるんだ。邪魔をするなら、この火薬でまとめて吹き飛ばしてやる……!

ちょっと待ってくれ、この島では異変が起きているんだ
あなたは緑の光が脈打つ採掘場の闇の中から一歩前に踏み出し、ガレオン船長に向かって力強く声を張り上げた。彼の掲げた松明の炎が、焦りと疑念に満ちた船長の顔を赤く照らし出す。「異変だと……?ふざけるな、俺はこの石で借金を返すんだ!」と船長は声を荒らげるが、その背後で深く眠り込む部下たちの姿が、あなたの言葉の重みを雄弁に物語っていた。彼はぐっと言葉を詰まらせ、真鍮の測距儀を握る手をわずかに震わせる。あなたのその真摯な訴えは、欲に目が眩んでいた男の心の奥底にある恐怖と後悔に、確実に届き始めていた。

……お前、本気で言っているのか?この眠り病と、俺たちが掘り出した石が関係していると……?
あなたの切実な言葉に、ガレオン船長は一時的に気圧されたものの、借金と焦燥に縛られた男の恐怖はすぐには拭い去れなかった。「綺麗事を聞く余裕などない……!」と船長は再び声を荒らげ、掲げた松明を火薬箱の導火線へと近づけようとする。そのあまりに危うい挙動に、積み出し用の木箱に納められた「炉心石」の周囲の空気が一気に張り詰めた。あなたは身構え、船長の暴走を止めるべくさらなる行動に出なければならない。

もう待てん!この石が俺を救うんだ……邪魔をするなら、まとめて吹き飛ばしてやる!
あなたは船長の掲げる松明から火薬の導火線を遠ざけようと素早く身を翻すが、張り詰めた緊張感と足元の緑の光に足を取られ、機敏に動きをかわすことができない。船長は荒い息を吐きながら、なおもあなたを警戒して松明を握りしめている。その背後で、積み出し用の木箱に収められた「炉心石」が重々しく冷たい緑の光を放ち続けている。

これ以上近づくな!俺はこの石さえあれば……いや、本当にこの石がこの異変の原因だというのか……?

水夫の証言と壁画から得た情報を元にした推理を話す
あなたは揺るぎない眼差しでガレオン船長を見据え、眠る水夫の証言と古城の壁画から読み解いた真実を静かに語り始めた。坑内を満たす緑の光は竜の冷えた息であり、彼らが掘り出した炉心石こそが卵を冷やし、村人たちを終わらない眠りに引きずり込んでいる元凶なのだと。船長の顔から血の気が引いていく。彼は掲げた松明の先で震える炎を見つめ、ゴクリと生唾を飲み込んだ。その焦りに満ちた瞳の奥で、強欲の仮面が剥がれ落ち、恐怖と後悔の色が広がっていくのが分かる。船長はゆっくりと火薬の導火線から松明を遠ざけ、その場に膝をつくようにして積み出し用の箱を見つめた。「……本当に、この石が全ての原因だと言うのか……」と、彼は掠れた声で呟く。

……信じたいところだがな。だが、これが俺の借金を返す唯一の希望だったんだ……。どうすればいいというのだ?
説得の言葉が焦りと恐怖に動揺した船長の心に深く突き刺さり、彼は苦悶の表情を浮かべる。しかし直後、船長は現実の重圧に押し潰されるように表情を強張らせ、あなたの手を振り払ってしまった。「だ、だが待て……!俺には帰る場所もないんだ……!」と叫びながら、彼は震える手で炉心石の積まれた木箱へと手を伸ばす。そのあまりに危うい挙動に、周囲に置かれた火薬の箱がガラリと音を立てて傾いた。炉心石を手に入れるため、あなたは一瞬の隙を突いて火薬の導火線を安全な場所へ遠ざけなければならない。

すまない……だが、俺は引き下がれん!この石さえあれば……!
あなたは鋭い反射神経と研ぎ澄まされた敏捷性を活かし、一瞬の隙をついて火薬の導火線から松明の炎を鮮やかに遠ざけた。爆発の危機が去ったことで採掘場の緊迫した空気が和らぎ、ガレオン船長はどっと冷や汗を流しながらその場に崩れ落ちるように膝をつく。彼の震える手が積み出し用の箱の蓋を押し開き、中から冷たい緑の光を放つ巨大な炉心石が露わになった。船長はもはや抵抗の色を失い、その石をあなたへと静かに差し出す。
炉心石 を手に入れた

……わかった。私の負けだ。この石が全ての元凶なのだとしたら、もう私には扱えない……持って行ってくれ。

なぜ石に固執するのですか?
ガレオン船長はあなたから差し出された炉心石を一瞥し、そしてあなたが手に持つ炉心石の重みと自らの手にした石の重みをゆっくりと見比べた。彼は深く息を吐き出し、張りつめていた緊張の糸が切れたようにその場にへたり込む。「……ああ、そうだ。この石さえあれば借金が消えると、そればかりに目が眩んでいた……だが、これが人々の眠りを奪い、この島を凍らせていた元凶だというなら、もう私には持てない」。船長は頭を抱え、後悔の念に駆られたように小さく首を振った。採掘場の奥、緑の光が脈打つ地下の深淵から、底知れぬ巨大な温もりと冷気が入り交じった巨大な息吹が低く響いてくる。いよいよ古城の真下、竜の眠る大空洞へと続く道が開かれた。あなたは炉心石をしっかりと抱え、ルカと共にその深淵へと足を踏み入れる。周囲の岩肌を伝う緑の水から立ち上る冷気が、容赦なくあなたの体にまとわりついてくる。

……すまなかった。私は欲に目が眩んでいた。頼む、あの竜と卵を……元の静寂に戻してやってくれ。

一緒に返しに行きましょう
SCENE 03

あなたは炉心石をしっかりと抱え、ルカとともに古城の地下深くへと続く暗がりへ足を踏み入れた。足元を流れる緑色の光を放つ水に触れた瞬間、意識がふわりと浮き上がり、現実の感覚が遠ざかっていく。気づけば、あなたは果てしなく広がる深い緑の海の底のような空間に立っていた。視界の先には、山脈のように巨大な竜が横たわり、くすんだ灰色をした一つの卵をその冷え切った体で包み込んでいる。竜はあなたを卵を奪った盗人と勘違いしているのか、その巨大な巨体がうねり、圧倒的な怒りと冷気があなたの精神を押し潰そうと襲いかかってきた。夢の中の荒れる潮のうねりが、あなたを呑み込もうとする。この圧倒的な気配の中で、手にした「竜守りの鈴」を鳴らし、敵ではないことを伝えなければならない。心の中で強く鈴の音色を響かせるか、古城で学んだ呼び名を用いて語りかけるか、あなたの判断でその意思を示してください。
夢幻の緑の海の中で、あなたは心に秘めた竜守りの鈴を鳴らそうと試みる。しかし、荒れ狂う潮のうねりと竜の冷たい怒りはあなたの精神を圧倒し、鈴の音色はかき消されてしまう。冷気が容赦なくあなたの意識を蝕み、激しい痛みが全身を駆け巡った。あなたは深い精神的疲弊を覚えながらも、なおも崩れ落ちる意識を必死に繋ぎ止める。
体力が 20 減少した
緑の光が渦巻く夢幻の海の中で、あなたは研ぎ澄まされた判断力を頼りに「竜守りの鈴」を力強く振るう。荒れ狂う潮のうねりを切り裂くように、澄んだ美しい鈴の音色が巨大な竜の意識の深くまで響き渡った。その瞬間、あなたを敵と誤認していた竜の荒々しい気配が凪ぎ、冷え切っていた巨大な巨体がゆっくりとその身を震わせる。あなたの声と鈴の響きが、確かな守り手の意志として竜の心に届いたのだ。

炉心石を巣の卵の下に戻す
あなたは手にした炉心石をしっかりと抱え、果てしない緑の光が渦巻く夢幻の大空洞を進む。目の前には、冷え切った巨体を丸めて眠る老竜と、灰色にくすんだ一つの卵が静かに鎮座していた。周囲を凍てつかせるような冷気が容赦なく襲いかかるが、あなたは怯むことなく、その炉心石を丁寧に卵の底へと収めていく。石が本来あるべき場所へと戻された瞬間、眩い温かな緑の光が卵と竜の体を優しく包み込み、冷え切った空気を穏やかな春の陽気のような温もりが満たしていった。
炉心石 を手放した

竜に敵意がないことを伝える
あなたは深い緑の光が満ちる夢幻の大空洞の中で、巨大な竜へと静かに語りかける。その手に握られた竜守りの鈴の清らかな音色が、穏やかな温もりを帯びた空気と共に竜の意識の深くまで染み渡っていく。卵を取り戻しに来たのではなく、温もりを返しにきたのだというあなたの誠意が、竜の魂を優しく解きほぐした。竜はゆっくりと巨大な瞼を開き、慈愛に満ちた深い瞳であなたを見つめると、静かなうねりとともに体を沈め、再び穏やかな眠りへとついていく。周囲を包んでいた冷気が完全に消え去り、島を覆っていた嵐の輪と深い霧は潮風の中に溶けるように霧散していった。あなたはルカやバルト、そして改心したガレオン船長とともに船に乗り込み、緑の新芽が芽吹き始めた島を後にする。潮見の港では、眠りから覚めた村人たちが家族と抱き合いながら温かな朝日を迎えていた。あなたの選んだ道が、この世界に静寂と平穏の息吹を取り戻したのだ。

……よくやったな、セシル。お前のその選択が、この島と村の時間を再び動かしたのさ。さあ、帰る家が待っているぞ。
SCENE 04

SCENE 05

EPILOGUE

運命の歯車が噛み合い、世界は再び平穏な息吹を取り戻した。あなたが選んだ優しさと決断は、永遠にこの海の伝説として語り継がれるだろう。冒険の旅路の果てに、真の守り手となったあなたに、祝福の光があらんことを。
CLEAR